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平成22年度の税制改正大綱がやっと出た。11日に出ると言われながら、延期延期でヤキモキしたものだ。 やはり、アノ人の重点要望で長引いたのか。 さて、その中味であるが、全体としてはちまちまと小さくまとまったなという印象である。 威勢の良いかけ声で期待をもたせながら、最後は小沢幹事長の『誰も言ってない「国民の声」』という名の 重点要望によって重要事項が次々決まったという感が否めない。 それでは、項目毎に個人的感想を述べてみたい。 ・暫定税率廃止 これはご存じのとおり、暫定税率を廃止し、恒久税率へと言うずっこけた結論になってしまった。 マニフェストに記載された暫定税率を廃止し、2.5兆円の減税の実施は実現されなかった。これについては、 小沢幹事長の鶴の一声に押しきられた印象があり、税調の議論は何なのって感じである。残念なのはこれに対する野党の反応が鈍いのかマスコミが取り上げられないのか、もっと騒ぎになってもおかしくないのになんか沈静化した雰囲気になっていることだ。まあ、自民党も暫定税率は維持という考え方だから表立って批判できないのかも。いずれにしても、車社会の地方都市に住む者にとっては期待していただけに残念でならない。 ・たばこ税の税率引き上げ 1本3.5円引き上げる(小売価格は1本5円程度上がると想定される)ことになったが、個人的には、健康目的を掲げるなら、最低でも小売価格が500円になる位まで引き上げて欲しかった。たばこ税を上げると喫煙者が減るから税収が減るという意見が目立つが、100円、200円の値上げでは吸う人は吸うと思う。結局、健康目的で押す厚生労働省が税収減となると言って反対した財務官僚に押しきられた印象が強い。 ・扶養控除廃止 マニフェストでは廃止と言っていたが、結局16歳未満の年少扶養控除のみの廃止に留まった。また、存続すると言っていた特定扶養控除は16歳から18歳のみ加算部分を廃止した※。子ども手当見合いで年少扶養控除の廃止は当然であると思う。 一方、特定扶養控除の方は微妙だ。高校の授業料無償化で年12万円が支給されることとの見合いによる廃止であろうが、子ども手当は1人年間31万2千円が支給されるのに比べると支給額も低いし、マニフェストで特定扶養控除は存続と言ったことも兼ね併せると存続でもよかったのではないか。 また、高校に行かない子がいる場合は単純に増税になってしまうことも問題だ。直近の高校進学率は97.9%で高校に行かない子は約2万5千人。この数をどう見るかであるが、授業料無償化となっても高校に行けないほど困窮している人、不登校等の理由で特別な学校に行っている人、浪人生がいる人などにとっては気の毒な気もする。マイノリティーに配慮した政策も求められるであろう。 ※特定扶養控除については16才以上19才未満の子どもがいる場合の控除額は以下のようになった。 所得税:63万円→38万円。H23年分以後から。 住民税:45万円→33万円。H24年分以後から。 ちなみにマニフェストにあった、「公的年金控除140万円にする」、「老年者控除50万円を復活」はスルー。 大きい話はこれくらいで、後は細々とした話が多い。 ・所得税の生命保険料控除の見直し。 今までは生命保険料控除及び個人年金保険料控除の限度額が5万円づつ、併せて10万円まで控除額があったが、これを4万円に引き下げた上で、介護医療保険料を控除の対象に加え、限度額を4万円とし、合計で12万円の控除額とすることとされた。 これは、H24.1.1以降の契約に適用され、それ以前の契約分には従前の控除額になるということである。介護医療保険料がない人で、満額の控除を受けていた人は増税になるから、適用日以降に契約をする人は注意が必要である。ちなみに住民税は各2.8万円の控除額で、合計で7万円の控除額となる。 ・住宅取得資金等の贈与税の非課税措置の拡充。 住宅取得資金等の贈与した場合従前500万円まで非課税だったのが、H22年中は1500万、H23年中は1000万円までが非課税となる。ただし、受贈者の合計所得金額が2000万円以下が対象。 この不況の中、この特例の対象となる方はうらやましいとしか言いようがない。庶民にはあまり縁のない改正である。もっと、庶民向けの景気対策をして欲しいものだ。 ・新築住宅に対する固定資産税の減額は2年延長されました。 しかし、当初は廃止も出たこの特例、結局、「今後1年間で優良な住宅ストック重視の観点から見直しを検討していくことを条件」に延長されたので、これから住宅の新築又は購入を検討している人は注意が必要である。 ・法人関係 マニフェストにあった、「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度」は廃止されたので、該当する会社のオーナー様には朗報だろう。 また、中小企業投資促進税制は2年延長、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は2年延長、交際費の損金不算入制度は2年延長と不況の中、企業への影響の大きい租税特別措置には切り込めなかったようであるが、これらの特例廃止の影響は大きく、この判断は妥当であろう。 ちなみにマニフェストにあった、「中小企業の税率を18%→11%へ」は「課税ベースの見直しによる財源確保などと合わせ、その早急な実施に向けて真摯に検討する」ようであるが、何とも気の遠そうな話である。 なお、課税庁の増額更正の期間制限は3〜7年であるが、納税者からの更正の請求の期間制限は1年であることから、この不公正を見直す旨の記述があったのは目を引いた。これは、役所優位の象徴的な規定のようなものであるからぜひ早急に見直してもらいたいものである。 最後に、今回の税制改正作業においては、民主党は党の税調と政府の税調を一本化し、会議の議論や資料を公開するなど、透明性の高い決定プロセスを目指すという素晴らしい理念をもっていたが、結局、最後は与党の重点要望に始まり、税調の一部の幹部が密室で最終的な結論を出したという印象は否めない。これでは、従来のインナー方式(一部の税調幹部がホテルなどで秘密裏に最終的な結論を決定する方式)と何ら変わらなくなってしまう。 個々の中味については、マニフェストどおりに行かないことも多少あるであろうが、大枠の理念だけは初志貫徹して欲しいものである。 |
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